男性の結婚指輪がプレーンなタイプでなければならないということはありません。ステンレス、プラチナ、あるいは色の違うゴールドなどに、ダイヤモンドや他の宝石をあしらって、主張してみてはいかがですか。女性にも、新郎にも、スタイリッシュで日常使いできる一品を選ぶお手伝いをいたします。

この記事の内容は次のとおりです。

男性向け結婚指輪の歴史を簡単にご紹介
男性向け結婚指輪のスタイルの定義
男性向け結婚指輪の地金の選択肢
男性向け結婚指輪にダイヤモンド?
カラー宝石と男性向け結婚指輪
男性向け結婚指輪のリングサイズの決め方

男性向け結婚指輪の歴史を簡単にご紹介

男性の結婚指輪は、比較的新しいトレンドです。ジュエラーは1920年代にこれを世に広めようとしましたが、新郎の受けはよくありませんでした。第二次世界大戦中、愛する人を思い出すために男性が結婚指輪を身につけるようになり、その形が定着しました。ハリウッド映画スターのハンフリー・ボガートが、1945年に女優のローレン・バコールと結婚して結婚指輪を身につけることに決めたことが、どうやら彼の何百万ものファンの間でお墨付きとなったようです。現在まで時間を早送りしてみると、ライアン・レイノルズ、デビッド・ベッカム、マイケル・ブーブレといった大物セレブリティ、アスリート、エンターテイナーの面々が結婚指輪を身につけていることに気付かれるでしょう。現在はサセックス公爵となったハリー王子がメーガン・マークルさんとご結婚されたとき、プラチナの結婚指輪を選びました。これは英国王室の婚姻に通常使用されるウェルシュゴールドの伝統を打ち砕く選択でした。では、伝統という観点では、新郎の結婚指輪を誰が選択してお支払いするのでしょうか。幸いにも、男性の結婚指輪に関しては、堅苦しい鉄則は存在しません。大概は、二人共同で選び、新婦がバンドを購入します。最近のカップルは大概一緒にご購入されます。新婦がスタイルとデザインを検討して、新郎は自分に合う結婚指輪を決めています。

ゴールドにエメラルドカットダイヤモンドが中央にマウントされた男性の結婚指輪。

ダイヤモンドの結婚指輪は男性向けでもある。このエメラルドカットのダイヤモンドは、マウントと同一平面上にセットされているため、しっかりと保護されている。提供: Ceremony.com

男性向け結婚指輪のスタイルの定義

婚約指輪を選ぶのと同様に、永遠となる結婚指輪のバンドの選択で、すべての選択肢を与えられたら、圧倒されてしまいます。個人のスタイルを考慮し、それをよく反映するリングに焦点を絞って、選択肢を狭めることができます。一緒にショッピングする前に、自分に問いかけてみましょう。

  • 彼はどんなアクティビティが好きですか。ハイキング、読書、マウンテンバイク、あるいは、夜のクラブ遊びでしょうか。単純なお薦めとなるのは、彼がアクティブなほど、シンプルな結婚指輪の方が良いという点です。凝った装飾の結婚指輪や、たくさん宝石があしらわれた結婚指輪は、サッカーしたり、山登りしたりすると傷をつけてしまいます。シンプルなステンレスや、チタンのような軽金属でできた結婚指輪が適した選択と言えるでしょう。新郎の趣味がもっと静かなものであれば、少々複雑で精巧な造りのバンドも素晴らしい選択肢でしょう。
  • 新郎はどのようなジュエリーを身につけられますか。フィアンセの方が派手なものを身につけられるならば、宝石をちりばめたり、凝ったメタルワークの装飾が施された結婚指輪を気に入られるかもしれません。ジュエリーなど身につけないフィアンセの方であれば、おそらくシンプルな結婚指輪を好まれるでしょう。

2.64カラットのイエロー・プリンセスカットとカラーレスのラウンドブリリアントカットのダイヤモンドが14Kホワイトゴールドにセットされた男性の結婚指輪。

フィアンセは外向的、あるいは注目の的になるのが好きな方だろうか。この2.64カラットのイエロープリンセスカットとカラーレスのラウンドブリリアントカットダイヤモンドで飾られた14Kホワイトゴールドの結婚指輪を気に入るかもしれない。提供:ItsHot.com


男性向け結婚指輪の地金の選択肢

イエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールド、プラチナが男性の結婚指輪に人気のチョイスです。しかし、他にもたくさんの金属や素材もあり、結婚指輪にも合います。どのように選べば良いでしょうか。これもまた、個人のスタイル、価格、そして他の検討事項の組み合わせによります。貴金属

  • イエローゴールドは6000年以上もジュエリーに使用されています。美術館や博物館、歴史小説/映画、クラシックカーが大好きなフィアンセであれば、イエローゴールドのバンドがお似合いになるかもしれません。
  • ローズゴールドは温かみを帯びた色の選択肢で、現在人気が高まっています。女性らしい呼び名だからといって無視しないでください。濃いめの色合いはとても印象的です。
  • ホワイトゴールドやプラチナといったホワイトメタルは、ここ数十年、流行しています。クールでモダンな外観の一点を選びましょう。
ブラックダイヤモンドをあしらったローズゴールドの男性向け結婚指輪。

ブラックダイヤモンドがローズゴールドにセットされ、ドラマチックなメッセージ性が現れている。男性向けの結婚指輪にふさわしい大胆な外観である。提供:ItsHot.com

男性の結婚指輪に複数の金属を使用しても良いでしょう。例えば、イエローゴールドにホワイトゴールドやプラチナを合わせて作られるコントラストは、力強いメッセージ性を表現できます。貴金属に関して参考にしていただきたい2点の事実:

  • 価格:プラチナリングは、ゴールドリングより通常、高価です。プラチナは金よりも比重(質量 ÷ 体積)が大きいため、同じリングの大きさではゴールドよりもプラチナのほうが重くなります。また、プラチナ合金の純度は通常90~95%ですが、ホワイトゴールド合金の純度は一般的に58.5%(14K)または75%(18K)です。合金金属(銅、ニッケル、亜鉛など)は、貴金属に比べ安価です。希少性の高い金属ほど、一般的に高価です。
  • アレルギー:一般的に金合金に使用されるニッケルや銅に敏感な方はたくさんいらっしゃいます。こうした合金、または他の合金に対してアレルギー反応がある場合、イエローゴールド、ホワイトゴールド、ローズゴールドは避けてください。プラチナは低刺激性のため、金属アレルギーがある方には安全な選択肢です。

他の金属や素材も男性の結婚指輪に人気のチョイスです。

  • タングステンカーバイドは傷がつきにくく、ポリッシングする必要が全くありません。
  • コバルト合金は非常に硬く、傷がつきにくいです。コバルトは低刺激性でもあります。
  • ステンレスは傷がつきにくく、変色にも強く、硬い素材です。また価格も手頃です。
  • パラジウムはプラチナ同様「白色」の外観で、低刺激性、また変色もしません。プラチナよりも硬く、また傷もつきにくく、さらに手頃な価格です。
  • チタンは軽量で、傷や侵食に強く、低刺激性で、極めて耐久性に優れています。また価格も手頃です。
  • セラミックの結婚指輪は通常、お手ごろな価格で、さまざまな色があります。セラミックは頑丈な軽量素材ですが、金属ではありませんので、欠けたり、割れることがあります。

貴金属の代替となるこういった素材を選択する場合は、決定する前にジュエラーにしっかりとご相談ください。素材の中には、他よりもサイズ直ししにくいものもあります。また、緊急事態に簡単にカットして指から外せないものもあります。あるいは、ライフスタイルに合わない素材かもしれません。例えば、タングステンは導電性があり、特定の職業には不適です。金属の選択肢に関する詳細は、男性のジュエリー:代替となるジュエリー向け金属をご覧ください。

男性向け結婚指輪にダイヤモンド?

答えは声高に申し上げます。ありです!ダイヤモンドの男性向け結婚指輪はトレンドになっていて、理由もあります。モーススケールの硬度でランク10であるダイヤモンドは、耐久性があることで知られています。また、とても象徴的な宝石のため、魅力が加わり、プレーンな結婚指輪よりもきらびやかになります。ダイヤモンドをバンドにつけたいという婚約者の方は、おそらく既に、婚約指輪のショッピングの時から、有名なGIAのダイヤモンドの品質の4Cについてよくご存知でしょう。ダイヤモンドのカラーカットクラリティカラット重量について、またこの影響を及ぼす価値を理解しておけば、ダイヤモンドがついたたくさんの結婚指輪の中から完璧なリングをお二人が見つけるために役立ちます。

14Kゴールドとホワイトゴールドにセットされた男性向けダイヤモンド結婚指輪。

この結婚指輪には、14Kイエローゴールドとホワイトゴールドが巧みに使われて人目を引くデザインを作り出している。金属が0.57カラット(ct)のダイヤモンドを縁取っている。提供:EraGem.com

最高の耐久性を求めるならば、一粒石のベゼルセットのダイヤモンドを選ばれるのも良いでしょう。あるいは、きらめきが目的ならば、結婚指輪にダイヤモンドメレーを加えることもご検討ください。メレーダイヤモンドには0.001ct(1カラットの千分の一)の小さなものまであります。このようなごく小さいダイヤモンドは通常、シングルカット(ラウンドで、17または18個のファセット)、またはフルカット(57または58ファセットのラウンドブリリアント)です。男性の結婚指輪では、チャネルセットやビーズセットとしてバンドにセットされることが多く、これであれば、金属表面と同一面になります。メレーを検討するもうひとつの理由:ごく小さなダイヤモンドの多くは通常、一粒の同じ重量の石よりも手頃な価格です。そのため、同じ金額に対してきらめきをたくさん得られます。メレー付きのバンドをご検討中の方は、メレーダイヤモンド:小さなダイヤモンド、大きなインパクトをぜひお読みください。

0.60カラットのチャネルセットの男性向け結婚指輪。ハンマー仕上げのイエローとサテン仕上げのホワイトの14Kゴールドの波形のバンド。

この結婚指輪では、ハンマー仕上げのイエローとサテン仕上げのホワイトの14Kゴールドの2本の波形のバンドが、0.60カラットのチャンネルセットのダイヤモンドを携えている。見た目にとても興味深く、洗練された外観である。提供:ItsHot.com

カラー宝石と男性向け結婚指輪

サファイアルビーなどの宝石を加えるのは男性の結婚指輪に色を取り入れる素晴らしいアイデアです。どちらの宝石も美しく、耐久性があります。モーススケールの硬度はどちらも9で、毎日の着用に適しています。サファイアとルビーが新郎のお好みではない場合は、誕生石や、意味のある別の宝石をご検討されても良いでしょう。宝石の中には、エメラルドのように、毎日着用する結婚指輪には推奨できないものもあります。傷がつきやすいからです。ガーネット、スピネル、アクアマリン、ジェダイト、ネフライトのような他の宝石は日常の着用に耐え、傷もつきにくいです。この路線を選ぶならば、少々リサーチして、信頼できるジュエラーに相談することが最善です。

22Kゴールドのインレイがあしらわれたプラチナバンドにブルースピネルがセットされた男性の結婚指輪。

22Kイエローゴールドのインレイと深いブルーのスピネルが特徴的なこのプラチナバンドは、見た目から力強いメッセージ性が現れている。写真撮影:Orasa Weldon/GIA、寄贈:Dr. Casey Skvorc。

結婚指輪にあしらう宝石を保護するには、ベゼルセッティングやチャネルセッティングをご検討ください。ベゼルとは、宝石の周囲を、薄い金属片で押さえ込んであるいはハンマーで打ち付けて、宝石を保持するジュエリーのセッティングスタイルです。チャネルセッティングでは、同一サイズの宝石が端から端まで、間に金属を挟むことなく、2本の平行な金属壁に沿ってセットされています。

チャネルセットのダイヤモンドがあしらわれた14Kゴールドの男性向け結婚指輪。

この14Kホワイトゴールドのバンドにあしらわれたダイヤモンドは、チャネルセッティングでしっかりと保護されている。提供:EraGem.com

男性向け結婚指輪のリングサイズの決め方

金属と、お好みに応じて宝石を選び、新郎の結婚指輪のスタイルを決定したら、そのリングがフィットするか確かめましょう。リングサイズを決める最善の方法は、ジュエラーが使う指用のゲージセット(リングサイザーとも呼ばれる)を使用することです。半サイズごとの金属のバンドのセットで、指にはめて確実なフィットと最適な心地よさとなるサイズを測ります。ジュエラーは温度、湿度、高度、あるいは1日のうちの時間帯など、指のサイズに影響を与える可能性がある要因を理解しています。サイズ決定において不確かな部分は、プロに任せましょう。

指用のゲージセットあるいはリングサイザーを使用して、最適にフィットするリングを決定します。

指用のゲージセット(リングサイザー)で、最適なフィットを確かめる。指用のゲージは太めのバンド用もある。写真: Eric Welch/GIA

もちろん、バンドタイプの婚約指輪は男性のためだけではありません。新婦にも必要です。結婚指輪と婚約指輪をペアにするトレンドやヒントにご興味をお持ちですか。GIAのブログで必要な情報をお届けします。