あなたが「最も重要なCは何か」と質問しているなら、おそらくダイヤモンドの婚約指輪を購入しようとしているところなのではないでしょうか。 ダイヤモンドの品質となると、その答えはシンプルではあっても、わかりやすいとは限りません。
「4Cにおいて最も重要なものはどれでしょうか?」 – それは、場合によるでしょう。 あなたの好みと予算、そしてあなたとパートナーが何を最も重要だと考えるかによって答えが変わります。 車や家、あるいは他の何かを購入する場合と同様に、ダイヤモンドを購入する際の選択肢はお持ちの予算によって左右されます。 目標は予算内でダイヤモンドの品質が最も高いものを手に入れることです。 ですがどこかを譲歩するという手もあります。 ご自分にとって最も重要な条件を決める第一歩は、好み、そして妥協できる点は何かを知っておくことです。 さて、あなたはダイヤモンドに関して何を重要視しますか。
カラット重量が最も重要なCですか?
ダイヤモンドのサイズはカラット重量で表されます。 ダイヤモンドのサイズや全体的な品質によっては、カラット重量の小さな差異が何百、あるいは何千ドルもの価格の差異となる場合もあります。
見た目の大きさが重要な場合は、適切なダイヤモンドの形を選ぶことでサイズの錯覚を生み出すことができます。 ファンシー シェイプ、特にオーバル、レクタングル、そしてマーキスのような細長いシェイプは、実際のカラット重量の割に大きく見える傾向があります。 細いバンドとベゼルを用いた、ヘイロー セッティングのエンゲージリングもダイヤモンドの大きさを際立たせることができます。
サイズのみが重要なのであれば、理論的には5カラットのダイヤモンドを数ドルで買うこともできるでしょう。 それ場合は、もちろん宝石の品質は望めません。 含有物が多すぎてダイヤモンドに透明感がない上、色も茶色や灰色の場合があります。 光を全く通さないので、カットの質の良し悪しも関係ありません。 ダイヤモンド自体は確かに大きいでしょうが、ご友人、ご家族、そして婚約者の方がダイヤモンドと認識するのはかなり難しいでしょう。
ですからカラット重量だけがすべてではないことを知っておかなくてはなりません。 ダイヤモンドの品質は4C全ての組み合わせによって決定されるのです。
ダイヤモンドのカラーが最も重要なCですか?
ダイヤモンドの色の微妙な違いがダイヤモンドの価値に大きな影響を与えることがあります。 同じクラリティ、重量、形、カットが施された2つのダイヤモンドであっても、カラーだけの違いで価値が異なることもあるのです。 ほんのわずかな色の違いでも、ダイヤモンドに支払われる金額に差が出ることがあります。
GIAではダイヤモンドの無色の度合いを、コントロールされた照明と観察条件下で、確立されたカラーグレードのマスターストーン一式と比較することによって決定します。 GIAのD-to-Zダイヤモンドカラーグレーディングスケール、またはダイヤモンドカラーチャートは、無色を表すDで始まり、ライトイエロー、ライトブラウンまたはライトグレーのZへと、色の存在感が増していきます。 GIAのカラースケール上にある23のカラーグレードは、さらに以下の5つのサブカテゴリーに分けられます:カラーレス(D-F)、ニアカラーレス(G-J)、フェイント(K-M)、ベリーライト(N-R)、ライト(S-Z)。 グレードを示す各文字には、色の見え方に基づいて明確に定義された、狭い範囲があてがわれています。
ダイヤモンドは無色であればあるほど希少価値が高くなることが、Dカラーのダイヤモンドが最も高価である理由です。 台にセットされて指にはめたり耳元で揺れる状態では、DとGカラーのダイヤモンドの区別はそう簡単にはできなくなるでしょう。
ダイヤモンドを購入する際には、さまざまなカラーグレードの石を見てみましょう。 購入したいと思えるカラーの範囲が案外広いことに驚かれるかもしれません。 わずかに色味のついたダイヤモンド(例えばJやKカラー)に好感の持てる暖かさを感じるかもしれません(実際にそういう方がいらっしゃいます)。
ダイヤモンドは細かい反射面で構成されているため、その色の見え方は周囲の環境の影響を受けることを覚えておきましょう。 これには、自然光や蛍光灯、その時に身につけている衣服の色、またダイヤモンドがセットされている金属の色さえも含まれます。 プラチナのような白色の金属は、カラーグレードがH以上のダイヤモンドでは、石を際立たせることができます。 J、KあるいはLのカラーにおいては、金属が非常に強い白色(プラチナ)であれば、色のコントラストが目立ちはじめます。 よりカラーグレードが低く、わずかに黄味がかかったダイヤモンドであれば、イエローゴールドの台にセッティングすると色が目立ちにくくなります。

このグループで、どれがクラリティグレードが最も高いダイヤモンドで、どれが最も低いダイヤモンドかわかりますか? 10倍ルーペを使わず遠目から見ただけでは、ダイヤモンドの全体的なクラリティを見るのは難しい。 答え:1.03ctのアッシャーカットのダイヤモンド(左から2つ目)のクラリティが最も高く、VVS2である。 1.01ctのマーキス型ダイヤモンド(右から2つ目)のクラリティがSI1で、最も低い。 写真:Robert Weldon/GIA
ダイヤモンドのクラリティが最も重要なCですか?
フローレスダイヤモンドは非常に稀で、ジュエリー業界で一生働いても一度も見た事がない、ということもあり得ます。 ダイヤモンドクラリティスケールのもう一方の端には、肉眼で容易に確認できるインクルージョンを持つダイヤモンドがあります。 これら両者の間にあるのが、10倍の拡大下でのみ確認されるインクルージョンを含むダイヤモンドです。 この中間の範囲の石が小売市場の大半を占めています。
宝石用の10倍ルーペを持って他人のダイヤモンドを1日中検査してまわったりしますか? 誰もそんなことはしません。
GIAクラリティ スケール、すなわちダイヤモンド クラリティ チャートには11のクラリティ グレードがあります。フローレス(FL)、インターナリー フローレス(IF)、ベリー ベリー スライトリー インクルーデッド(VVS)が2分類、ベリー スライトリー インクルーデッド(VS)が2分類、スライトリー インクルーデッド(SI)が2分類、インクルーデッド(I)が3分類です。 ダイヤモンドクラリティグレードはインクルージョンやブレミッシュのサイズ、数、位置、特徴、そして色やレリーフによって決定されます。
10倍の拡大で確認できるインクルージョンのないダイヤモンドは、クラリティスケールの端にある非常に稀なIFとグレード付けされ、最も高価です。 スケールを下げていき、VS2あるいはSI1のダイヤモンドでも、あなたが非常に細かいインクルージョンに気づけることはあまりないでしょう。 そして間近で検査でもしない限り、I1のダイヤモンドのインクルージョンに気づかない人もいることでしょう。
クラリティ グレードの異なるダイヤモンドを見てご自分の好みを絞りましょう。 表面に達する傷がある場所に注意してください。 もしエメラルドカットダイヤモンドに決めているならば、予算が許す範囲で最もクラリティの高いものを検討するとよいでしょう。この伝統的なステップカットのファセットスタイルは、クラリティの低いダイヤモンドではインクルージョンをより目立たせてしまう傾向があるためです。

これらのラウンドブリリアントカットダイヤモンドは、カットの質がいかに外観を左右するかを示しています。 GIAカットグレード、(左から右へ):エクセレント、グッド、プア。 写真:Kevin Schumacher/GIA
ダイヤモンドのカットが最も重要なCですか?
どのダイヤモンドの品質要素も、かならず誰かにとって重要なものです。 煌めきや、「ダイヤモンド」の存在感を混み合った部屋の隅からでも伝えるような色と光の閃光をお求めなら、ダイヤモンドのカットの品質は極めて重要です。
このダイヤモンドの品質要素は、いかにダイヤモンドが精巧にカットされているかを示すものです。 ダイヤモンドのカットグレードは、さまざまなプロポーションセットとダイヤモンドの外観を表し、そのすべてが組み合わさって、ダイヤモンドにしか作ることのできない見事な光の反射を生み出すのです。
GIAは、宝石商や皆様のような消費者が実際にダイヤモンドを何千回も観察した結果をもとに、標準的なラウンドブリリアントカットのダイヤモンドのためのカットグレーディングシステムを作成しました。 GIAのカットグレーディングスケールにはエクセレントからプアまでの5つのグレードがありますが、各グレードは幅を示していることに注意しなくてはなりません。 フェースアップの外観が異なるダイヤモンドが同じカットグレードになる場合もあります。 またカットグレードは多くの人がそれぞれの幅において最も好んだものによって設定されたために、表示されたカットグレードと貴方が好むダイヤモンドが異なる場合もあるかもしれません。

照明はダイヤモンドの外観に劇的な影響を与える。 同じダイヤモンドが(左から右に)拡散された蛍光灯の光の下、白熱灯あるいはスポットライトの下、そしてスポットライトと拡散光の混合の下に置かれた様子。 写真:Eric Welch/GIA
ご自分の好みを時間をかけて見つけてください。 カラーと同様に、ダイヤモンドの表面は反射率が高いため、光がフェースアップの外観に影響を与えています。 3つの異なるタイプの光に照らされたダイヤモンドを見てください。
- 拡散光:オフィスで一般的に使用されていて、頭上の光源は概して白色で、明るい光のスポットはありません。 このタイプの照明下ではカラーのフラッシュ(ファイア)はあまり見られませんが、ダイヤモンド内部の反射による光の明暗のパターン(シンチレーション)を容易に見ることができます。
- スポットライト:LED光源が取り入れられるようになってより一般的になり、宝石店ではどこにでもあります。 ファイアが多く見られますが、拡散光下でみられた明暗のパターンは不明瞭になります。 最も一般的な照明条件である直射日光は、スポットライトと同じであり、単一のスポット光源です。 思ったように「輝く」かを確かめるためにダイヤモンドを必ず屋外で見るようにしてください。
- スポット光と拡散光の混合:ダイヤモンドの明暗のパターンが、ファイアが加わりながらも容易に見られるはずです。 この環境が全体的に最も満足いくものであることが多いです。
カラーやクラリティと同様に、他の全ての要素が同じであれば、カットグレードが高いほどダイヤモンドは高価になります。
それでは最も重要なCとは…
これまで、ご自身がダイヤモンドのどの要素に重点を置きたいのかについて時間をかけて見てきましたが、もう一つ考慮すべき要素があります。それは清潔さです。 ダイヤモンドは光と周囲を反射する小さな鏡の集まりのようなものです。 ダイヤモンドが汚れていれば、色、クラリティ、カットの問題は意味がなくなってしまいます。 初めに見たときと同じ煌めきを維持したいなら、ご自分のダイヤモンドを清潔に(油分や汚れのない状態)保つ必要があります。
ダイヤモンドをご覧になる準備が整いましたか? 宝石・宝飾品店に向かう前に、この婚約指輪に関する一般用語のガイドで専門用語について理解を高め、より楽にショッピングができるようにされてはいかがでしょうか?