おめでとうございます!ダイヤモンドの婚約指輪のご購入、またはご検討を始められた皆さまにお祝い申し上げます。ご購入・ご検討にあたって、これまで馴染みのなかったダイヤモンドの用語や知識に出会われることもあるでしょう。GIAでは、ダイヤモンドご購入のプロセスをシンプルに進められるようにお手伝いしたいと考えています。頻繁に使用されるダイヤモンドの婚約指輪の用語とその説明を記したリストを、簡単かつ便利なシート形式にしてご用意しました。

ジュエラーと有意義な会話を持てるよう、こうしたダイヤモンドの婚約指輪の用語について知っておきましょう。わからないことは、遠慮なくジュエラーに尋ねて良いということをお忘れなく。

重要な情報:ダイヤモンドの品質の4C

  • 4Cダイヤモンドの品質を表す4つの要素(カラー、クラリティ、カット、カラット ウエイト)。品質は価格と密接な関係があります。  GIAが考案した4つの価値を決める要素は、1950年代にGIAが開発し、導入したダイヤモンドの国際的なグレーディング システムの基礎を成しています。それぞれの「C」は異なる方法で評価され、その品質は異なる尺度を使用して表されます。どのようなダイヤモンドも、その品質(および価格)を理解するには4つのCすべてについて知っておく必要があります。それぞれのCについて個別に記載されている以下の項目をご覧ください。
  • ダイヤモンドのカラーほとんどの宝石品質のダイヤモンドの場合、カラー グレードは色の無さを基準として「D」(カラーレス)から「Z」(ライト イエローまたはライト ブラウン)までの23段階のスケールでグレーディングされます。ダイヤモンドのカラー グレードの差は非常に微妙なため、訓練されていない人の目には見分けがつきません。しかし、品質と価格に大きな差が現れます。

  • ダイヤモンドのクラリティ:クラリティ特徴と呼ばれる、ダイヤモンドの「欠点」の無さの程度を表します。ダイヤモンドの表面にあるクラリティ特徴はブレミッシュと呼ばれます。ダイヤモンドの内部にある場合はインクルージョンと呼ばれます。ダイヤモンドのクラリティは、インクルージョンの数、ダイヤモンドのサイズとインクルージョンのサイズの比、インクルージョンの位置、レリーフ(インクルージョンが見えやすい度合)および性質(特徴の種類とそれがダイヤモンドに与える影響)で決まります。クラリティ グレードを決定する際、こうしたすべての要素が影響し合います。
    • クラリティは、11段階の等級を使用して測定します。これらは、フローレス(熟練したダイヤモンド グレーダーが10倍の倍率で見たときにインクルージョン、ブレミッシュがともに見られない)から、インクルーデッド(拡大せずに見てもインクルージョンが顕著で、ダイヤモンドの透明度、輝きや耐久性に影響を及ぼす可能性がある)までの範囲となります。
  • ダイヤモンドのカットダイヤモンドのカットの質は、光への反応の良さ、石の全体的なデザインとクラフトマンシップを考慮に入れます。シェイプとは混同しないようにします(シェイプの項をご覧ください)。
    • ダイヤモンドの光との相互作用を評価する際、カット グレードは以下を反映しています:
      • 輝き(ダイヤモンドから白色光がどのように反射されるか)
      • ファイア(白色光から虹のすべての色への分散)
      • シンチレーション(ダイヤモンド内の反射によって引き起こされる、明るい部分と暗い部分のパターン)
    • ダイヤモンドのデザインとクラフトマンシップの質は以下を考慮に入れます:
      • ダイヤモンドの直径に対する重量
      • 耐久性に影響を与えるダイヤモンドのガードルの厚さ
      • ダイヤモンドのファセット配置の対称性
      • ファセットに施されたポリッシュの質
    • こうした要素に基づき、ダイヤモンドのカット グレードをエクセレントからプアまでのGIAのカット スケールにて評価します。
  • ダイヤモンドのカラット ウエイト(重量)宝石の重さを測る国際的な単位はメトリック カラットです。これは1.00ctと表され、100のポイントから構成されています。ハーフカラットのダイヤモンドは、重さ0.50ct、50ポイントとなります。1メトリック カラットは5分の1グラム(0.2g)で、約0.007オンスです。

他の重要なダイヤモンド用語

  • ブランド付けされたダイヤモンドとダイヤモンドのカット:特許取得済みの、または商標登録がされているカッティング スタイルによるダイヤモンドです。ダイヤモンドのガードルに自社名またはロゴをレーザーで刻印している企業もあります。ティファニー&カンパニー はその一例です。
  • ブリリアント カット:宝石のカッティング スタイルで、ラウンド、オーバル、クッション、ペア、マーキス、ハートなど、あらゆるシェイプに使用されます。石の中心からガードルに向かって放射状に広がる凧形および三角形のファセット(テーブル ファセットを除く)が用いられます。
  • 証明書(サティフィケート、またはサート「cert」とも呼ばれる):ダイヤモンドの4Cの評価および他の識別特徴を記した文書を指す、一般的な名称です。これはGIAのグレーディング レポートに時折誤って使用される名称でもあります。GIAダイヤモンド グレーディング レポートは、ダイヤモンドの品質に関するGIAの見解を記載したものです。GIAはグレーディング(等級付け)を行う独立したラボラトリーであるため、ダイヤモンドには確実に公平な品質評価が行われています。
  • クラリティ エンハンスメント処理済み:レーザー ドリリングやフラクチャー充填などによる、クラリティの改変が行われたダイヤモンドを表す一般的な用語です。処理は常に開示しなくてはなりません。
  • カラー ダイヤモンド:DからZのカラー スケールの範囲を超える色を呈するダイヤモンド。イエロー、ピンク、ブルーや、その他の色があります。
提供:Alan Bronstein、Aurora Gems。写真:Robert Weldon/GIA

提供:Alan Bronstein、Aurora Gems。写真:Robert Weldon/GIA

  • コンフリクト(紛争)ダイヤモンド:国際的に認められた正規の政府に対抗する勢力や派閥が支配する地域で産出され、こうした政府に対する戦闘行為の資金源として使用されているダイヤモンドを指します。81か国を代表する54の企業が参加するキンバリープロセスは、ダイヤモンドの原石が人道的な条件に基づいて採鉱されていることを保証するものです。今では、約99.8%のダイヤモンドがコンフリクト
    フリーとなりました。 ですから、正々堂々とご購入いただけます。
  • キュービック ジルコニア (CZ):人工のダイヤモンド類似石。類似石の項をご覧ください。
  • ダイヤモンドの寸法:ダイヤモンドのカットの項をご覧ください。
  • ファセット:光を反射する、仕上がった宝石の研磨された平たんな表面です。一般的なファセットの形状には、三角形、凧形、八角形、台形があります。
  • ファンシー カラー ダイヤモンド:カラー ダイヤモンドの項をご覧ください。
  • フローレス:熟練したグレーダーがジュエラー用ルーペで10倍の倍率で観察したときに、目に見えるブレミッシュやインクルージョンがないダイヤモンド。クラリティの項をご覧ください。
  • フロー:インクルージョンやブレミッシュを表す不正確な用語。クラリティの項をご覧ください。
  • フラクチャー充填:クラリティのエンハンスメント処理の一つで、フェザーやレーザー ドリルの孔など、表面に達するインクルージョンをガラス状の物質で埋めて目だたなくすることで、宝石の外観を向上させるものです。ジュエリーの修理によっては、充填剤が除去されることがあるため、この処理は恒久的ではありません。  GIAでは、充填処理が行われた石についてのグレーディング レポートは発行していません。鑑別レポートのみ発行します。この処理は常に開示しなくてはなりません。
  • 蛍光:一部のダイヤモンドや他の宝石を太陽や蛍光ランプ、その他の光源による紫外線(UV)の下に晒したときに、石が一時的に発する可視光です。 この発光はさまざまな色(ダイヤモンドでは大抵はブルー)、強さ(フェイント[僅か]からベリー ストロング[非常に強い])、分散パターンを示します。光源が無くなると、蛍光は見えなくなります。太陽光などのUV光源の下では、強い青色蛍光がある場合、ライト イエローのダイヤモンドはより無色に近く見えます。青と黄は反対色であり互いに相殺する傾向があるので、青色蛍光が黄色味を隠すのです。非常に強い青色の蛍光により、ダイヤモンドが濁ったように、あるいはオイリーに見えることがあり、これがダイヤモンドの価値を下げる可能性があります。
ダイヤモンドの蛍光性

写真:Harold & Erica Van Pelt/GIA

  • グラジュエイト ジェモロジスト:宝石およびジュエリーに関するプロフェッショナルの資格をGIAから取得している人を指します。業界で最も高度な宝石学のトレーニングと考えられているGIAグラジュエイト ジェモロジストのカリキュラムでは、ダイヤモンドおよびカラーストーンに関する詳細な学習を行います。これには石の構造、産地、製造、品質を決める要素などが含まれます。多くの一流の宝石職人や鑑定士がこの資格を取得しています。
  • HPHT 合成ダイヤモンド:天然のダイヤモンドが地中で形成されるときの高温高圧条件を模倣した装置のあるラボラトリーで製造された合成ダイヤモンド。HPHTは、天然ダイヤモンドの色の改変処理にも使用されます。
  • HPHT処理:ダイヤモンドの色を改変、強調または除去するために使用するカラー エンハンスメント処理。HPHTでは、茶色がかったダイヤモンドをカラーレスに変えたり、こうした茶色がかった石をイエロー、グリーニッシュ イエロー、あるいはグリーンといった他の色に変更することができます。処理を施したピンク、ブルー、オレンジ-イエローのダイヤモンドにもこのプロセスが関わっています。HPHTは恒久的な処理と考えられており、その処理は常に開示しなくてはなりません。
HPHT-処理

このイエローイッシュ ブラウンのダイヤモンドは、HPHT処理によりカラーレスとなった。写真:Robert Weldon/GIA

  • 模造石類似石の項をご覧ください。
  • インクルージョン:ダイヤモンドまたは他の石の内部にあるクラリティ特徴。ダイヤモンドの内部または表面にある特徴の数、大きさ、位置、色、性質が石のクラリティ グレードを決めます。
  • レーザー ドリリング:色の濃いインクルージョンを持つダイヤモンドの外観を向上させるために使用される、クラリティ エンハンスメント処理です。ダイヤモンドに、インクルージョンに達する孔をレーザーであけます。内包されている素材がレーザーで気化できない場合は、酸で溶解または漂白します。これは恒久的な処理で、レーザー ドリルの孔はクラリティ グレードに影響します。GIAは、ドリル孔に充填剤が用いられていない場合に限り、レーザードリル処理が施されたダイヤモンドにグレーディング レポートを発行します。この処理は常に開示しなくてはなりません。
このダイヤモンドはインクルージョンが非常に多いため、月の表面のように見える。提供:K.R. Gems & Diamonds International(K.R.ジェムズ&ダイヤモンズ インターナショナル)。写真:John I. Koivula/GIA

このダイヤモンドはインクルージョンが非常に多いため、月の表面のように見える。
提供:K.R. Gems & Diamonds International(K.R.ジェムズ&ダイヤモンズ インターナショナル)。写真:John I. Koivula/GIA

  • レーザー刻印:研磨済みダイヤモンドのガードルにレーザーで刻まれた、識別番号、印あるいは言葉を指します。10倍の倍率のジュエラー用ルーペまたは宝石用顕微鏡で見ることができます。一般的な刻印には、ダイヤモンドのグレーディング レポート番号、会社のロゴのほか、個人的なメッセージなどがあります。
レーザー刻印

この刻印は、このダイヤモンド固有の識別材料になっている。レーザー刻印がクラリティ グレードに影響することはない。写真:Mitch Moore/GIA

  • ルーペ:宝石の検査に使われる、小型で携行可能な手持ち式の拡大鏡。ルーペの倍率には色々ありますが、宝石学では10倍の倍率が標準とされています。
  • マジック サイズ:0.5ct、0.75ct、1ctなどの重さのダイヤモンドを指します。0.99ctのダイヤモンドとフル カラット(1.00ct)のものでは、見た目にはほとんど違いがありませんが、カラットあたりの価格が大きく異なることがあります。
  • メレー:(Melee、「メレー」と発音)重量が5分の1カラット(0.2ct)未満の小粒ダイヤモンドを表現するのに使用されるジュエリー取引用語。メレーの実際のサイズ範囲は、国により、または取引のそれぞれの過程により異なります。
  • モアッサナイト:人工のダイヤモンド類似石。類似石の項をご覧ください。
  • プリンセス カット:婚約指輪の選択肢として人気のある、正方形または長方形のブリリアント カット ダイヤモンドを指す取引用語。
このプリンセ スカット ダイヤモンドでは、大きめのファセットの対称性が顕著。さらにこのダイヤモンドでは、明るい部分と暗い部分のバランスも望ましい。

プリンセス カット ダイヤモンド。写真:GIA

  • ラウンド ブリリアント カット:ダイヤモンドの婚約指輪では最も人気のあるシェイプとカッティング スタイルです。標準的なラウンド ブリリアントには、57または58のファセットがあります。
ラウンド ブリリアント カット ダイヤモンド。写真:Vincent Cracco/GIA

ラウンド ブリリアント カット ダイヤモンド。写真:Vincent Cracco/GIA

  • シェイプ:フェイス アップで見たときのダイヤモンドの輪郭。(ダイヤモンドのファセットの配置やカットの質を意味するカッティング スタイルとは混同しないようにします。)最も一般的なダイヤモンドの形状はラウンドです。他のダイヤモンドの形状はすべてファンシー シェイプと呼ばれています。マーキス、ペア、オーバル、長方形、ハート、正方形などがあります。
  • 類似石:天然または人工の素材で、他の宝石素材の外観を真似たもの、あるいはその代わりとして使用されるものです。類似石は、別の変種の天然宝石である場合や、合成石、ガラス、混合物、張り合わせ石、再生素材のほか、プラスチックなどの人工的な素材であることがあります。
  • ソリティア一粒石(一般的にはダイヤモンド)を中心的存在として使用した婚約指輪。センター ストーンに頻繁に使用されるのは標準的なラウンド ブリリアントですが、どのようなシェイプやカッティング スタイルでも使えます。
  • きらめき:石、光源、または観察者が動いた時にファセット カットされたダイヤモンド内の反射が生み出す、閃光およびそれと対照的な暗い部分。ジェモロジストはこれをシンチレーションと呼びます。
  • 合成石ラボで製造されたダイヤモンドまたは他の宝石素材で、天然の宝石と実質的に同じ化学的特性と物理的特性を持っています。ラボ グロウン ダイヤモンドとも呼ばれます。
  • トリートメントダイヤモンドの見た目の色および/またはクラリティを向上させるためのプロセス。トリートメント(エンハンスメントと呼ばれることが多い)には、恒久的なもの(HPHTプロセスなど)と不安定なもの(フラクチャー充填など)とがあります。グレーディング プロセスの一環として、GIAはすべてのダイヤモンドにトリートメントを検出する検査をします。ダイヤモンドに処理が施されている場合、グレーディング レポートで開示します。
  • トリプルEx(エックス):標準的なラウンド ブリリアント カットのダイヤモンドで、GIAグレーディング レポートにてカット、ポリッシュ、シンメトリーがすべてエクセレントであるとグレーディングされたものを指す取引用語。

ダイヤモンドの婚約指輪の用語集をご覧いただき、ありがとうございました。ソリティア セッティングが婚約指輪で最も人気の高い選択肢の一つであることはご存じでしたか?このロングセラーについて知識を深めるためのブログもあります。

メイン画像提供:Royal Asscher