ダイヤモンドを購入する前に4C(カラー、クラリティ、カット、カラット重量)について学ばれた方は、ダイヤモンドの色が全体的なダイヤモンドの品質に多大な影響を与えることがお分かりになったでしょう。 ダイヤモンドの色の範囲は非常に微妙なため、ほぼ無色のダイヤモンドと無色のダイヤモンドの違いは素人の目には見分けがつかないかもしれません。 しかし、ダイヤモンドの価格の違いは一目瞭然でしょう。 では、購入するダイヤモンドについて正確な情報を得るにはどうしたら良いでしょうか?そこで、GIA のような独立した機関によるダイヤモンドグレーディングレポートが役に立つのです。 GIA ダイヤモンドグレーディングレポートは、ダイヤモンドのカラーグレードなど、ダイヤモンドの 4C に関して決定的で公平な評価を提供します。

前の記事では、GIA ダイヤモンドグレーディングレポートに含まれる情報について詳しく説明し、プロットおよびプロットのダイヤモンドのクラリティとの関連性を解明しました。また、ダイヤモンドの寸法を理解することでダイヤモンドのカットグレードについて知ったり、レポートに記載されているポリッシュやシンメトリーのグレードについてより詳しく学ぶ方法も説明しました。 この記事では、GIA のレポートに記載される色に関連した情報に焦点を当てます。 この記事をお読みになり、GIA のレポート、ダイヤモンドのカラーグレードを決定するために GIA で使用される方法、そして、ダイヤモンドを購入する際にその情報をどのように利用するのかについて詳しく学んでみましょう。

GIA によるダイヤモンドの D から Z のカラースケール

D から Z の色範囲に該当するダイヤモンドの GIA ダイヤモンドカラースケール。

GIA ダイヤモンドカラーチャートまたはスケール

GIA ダイヤモンドグレーディングレポートと GIA ダイヤモンドドシエ®には、GIA ダイヤモンドカラースケールと呼ばれる表が含まれています。この表では、D から Z としてダイヤモンドの 23 の色等級を示します。 これは、ご自分のダイヤモンドのカラーグレードがどの等級に該当するかの確認に使用できる参照ツールです。 この等級スケールは、D(カラーレス)から始まり、アルファベットの Z(ライトイエロー、ライトブラウン、ライトグレーのダイヤモンド)まで続きます。 それぞれのアルファベットは、狭い色範囲を表しており、ある特定の一色を示しているのではありません。 そのため、カラーグレードが同じ2つのダイヤモンドでも実際には色濃度がわずかに異なる場合があります。しかし、同じグレード内の違いは非常に微小であり、訓練を受けたダイヤモンドのグレーダーにしか確認できません。

GIA ダイヤモンドカラースケールでは、アルファベットのグレードは、以下のカテゴリに分類されています。

  • カラーレス/無色(D~F):D から Z の範囲の中で化学的に最も純粋なダイヤモンド
  • ニア・カラーレス/ほぼ無色(G~J):訓練を受けたグレーダーにのみ確認できる色味がある
  • フェイント/かすかな色味(K~M):素人の目では確認するのが依然として困難な色味がある
  • ベリーライト/非常に薄い色味(N~R):大きな石であれば素人の目にも確認できる色味がある
  • ライト/薄い色味(S-Z):石の大きさに関わらず、色味を確認できる ダイヤモンドは明らかに黄色や茶色に見えるが、「ファンシー」カラーダイヤモンドとして分類されるほど色が濃くはない。
GIA ダイヤモンドグレーディングレポートおよびダイヤモンドドシエレポート。

GIA ダイヤモンドグレーディングレポートは、ダイヤモンドのカラーグレードを含め、4C の完全な評価を提供します。 また、レポートには参照ツールとして GIA の公式なダイヤモンドカラースケールが含まれています。

GIA のカラーグレード

GIA ダイヤモンドグレーディングレポートまたは GIA ダイヤモンドドシエ®の左側のページには、ダイヤモンドのカラーグレードなど、ダイヤモンドのグレーディング結果が記載されています。 最高の精度と一貫性を保証するため、グレードは厳密な手順に従って決定されました。

GIA ダイヤモンドドック

GIA ダイヤモンドドックと呼ばれる観察用ボックスでは、制御された環境でダイヤモンドを視覚的に比較できる。 高めの台は、カラーグレーディングが正確にできるよう一定の高さに設定されており、マスターダイヤモンドの照合用トレイが配置されている。 写真:Robert Weldon/GIA

光源と背景はダイヤモンドの外観に大きく影響するため、GIA では高度に標準化および制御された観察条件の下でカラーのグレーディングを行います。 ダイヤモンドは、ニュートラルグレーの背景と昼光色の蛍光灯の下で検査されます。 ダイヤモンドは白くて光を反射しないグレーディングトレイに配置され、周囲の照明は抑え、弱い周辺光を使用します。 また、ダイヤモンドの明るさやシンチレーションが正確な色評価を防げることがあるため、グレーダーの視線や視野の角度さえも厳密に制御されています。

ダイヤモンドの色は、マスターストーンのセットにダイヤモンドを比較してグレーディングされます。 マスターストーンは、カラット重量、カラー、クラリティ、カットに関する特定の基準を満たすように慎重に選択されたダイヤモンドです。 それぞれのマスターストーンがアルファベットのグレードを表します。 マスターストーンは、グレーディングトレイに左から右の順に配置されており、テーブル面を下にして置かれています。 グレーダーは色が一致するのを確認できるまで、検査石のダイヤモンドをそれぞれのマスターストーンと比較していきます。 その後、グレーダーはグレーディングに関する見解を GIA のデータベースへ提出し、評価の見解に十分な一致があればダイヤモンドの最終的なカラーグレードが決定されます。

ダイヤモンドのカラー処理

ダイヤモンドは色の改善のために処理されることがあるため、GIA ではグレーディングの過程の一環としてすべてのダイヤモンドにおいて処理の有無を検査します。 ダイヤモンドの色が恒久的と考えられる処理による場合は、GIA のダイヤモンドグレーディングレポートには、カラーグレードの後に​​アスタリスクが表示されて処理が検出されたことを示し、レポートのコメント欄に処理内容が記載されます。 また、ダイヤモンドの色が不安定または可逆的な処理によって生じている場合は、代わりに GIA 鑑別レポート発行されます。

ダイヤモンドの恒久的なカラー処理の例としては、高圧/高温 (HPHT) が挙げられます。高圧/高温 (HPHT)とは、茶色がかったダイヤモンドを無色にしたり、茶色がかった石を黄色や帯緑黄色、緑色などの他の色相に変色させる処理です。 ダイヤモンドの不安定なカラー処理の例としては、コーティングが挙げられます。

ダイヤモンドの蛍光性

GIA ダイヤモンドグレーディングレポートにはダイヤモンドの蛍光に関する記述が含まれ、無し(None)、弱(Faint)、中(Medium)、強(Strong)、非常に強い(Very Strong)のいずれかが記載されます。 蛍光とは、日光の主要な構成要素である長波紫外線に対するダイヤモンドの反応の強さ、すなわち強度を表したものです。 蛍光はダイヤモンドでは一般的であり、鑑別の特徴であると考えられます。 天然ダイヤモンドでは青色の蛍光が最も一般的ですが、他の色を発する場合もあります。

蛍光を示すダイヤモンド

青色は、宝石品質のダイヤモンドにおいて最も一般的な蛍光色である。 これらのダイヤモンドは、UV ランプの凝縮された長波紫外線に照射されたときに様々な強さの蛍光を示す。 写真:Harold & Erica Van Pelt/GIA 提供:Harry Winston, Inc.

蛍光はカラーグレードには影響しませんが、ラボの環境とは異なる条件下で見たときに、蛍光の強さがダイヤモンドの色の見え方を変化させることがあります。 例えば、強い青色の蛍光を示すダイヤモンドは、明るい日差しの中ではより無色に見えるかもしれません。また、非常に強い蛍光を示すダイヤモンドは、濁ったり油っぽく見える場合もあります。

この記事で、GIA ダイヤモンドグレーディングレポートに記載されているダイヤモンドの色に関する情報や、GIA がダイヤモンドのカラーグレードを判定する際に使用する方法論について、一層理解を深めていただけたことと願っております。 4Cや、ダイヤモンドグレーディングレポートの読み解き方を学ぶことで、ダイヤモンドの購入を検討する際に、ダイヤモンドの品質をより良く理解することができます。 この知識は、選択肢を絞り込んだり、情報に基づいた購入決定をするのに役立ちます。知識に基づいて、ぜひ、夢のダイヤモンドをお選びになってください。