1月の誕生石の方はとてもラッキーです。 ビクトリア朝時代に最も人気のあった宝石であるガーネットは、様々な美しい色の石があります。 こちらをお読みになり、この宝石への審美眼を磨き、賢くお買い物するための知識を得ましょう。
この記事では、次の事項をカバーします。
ガーネットのタイプ
ガーネットの歴史と伝承
ガーネットはどこからきたのか?
ガーネットの購入時に注目すべき品質
ガーネットのお手入れとクリーニング
1月の誕生石:ガーネットのタイプ
ガーネットは、結晶構造が同じでも若干化学組成が異なる複数の鉱物のグループです。 このグループに属する、宝石として商業的に重要な5種:
- パイロープ(紫からオレンジがかった赤)
- アルマディン(紫からオレンジがかった赤)
- スペサルティン(オレンジと黄色)
- グロッシュラー(無色から、黄色、赤みがかったオレンジやオレンジがかった赤、強く鮮やかな緑)
- アンドラダイト(黄色から黄色がかった緑)
この5種の混合も存在し、さらに多くの色があります。 鉄、マンガン、クロム、バナジウムなどの微量元素のバリエーションにより、ガーネットに万華鏡のような幅広い色が作り出されます。
ジェモロジストがガーネットを愛する理由は様々です。 ガーネットの種類を分類する困難さから愛情を示す人もいるでしょうし、 特定の種類に見られる特徴に魅了される人もいます。 例えば、アンドラダイトの緑色の変種であるデマントイドガーネットは、印象的なホーステイルインクルージョンを示すことがあり、これはその宝石の価値を上げる内部のクラリティ特徴のひとつです。 デマントイドの持つ高い分散度もまたジェモロジストを魅了するもので、良質のカットを施された石は驚くべき量のファイアーを示します。
1月の誕生石:ガーネットの歴史と伝承
赤いガーネットには深い歴史があります。 ガーネットがちりばめられたネックレスを、古代エジプトのファラオが着用していました。 古代ローマの印章指輪は、重要な書類の封蝋のために使用された、ガーネットのインタリオが特徴です。 中世の聖職者や貴族に好まれました。
スミソニアンのアンティークパイロープの髪飾りは、最も有名なガーネットジュエリーのひとつです(パイロープは「炎のような目」を意味する、ギリシャ語の「pyrōpos」から来ています)。 女王が穏やかに宮廷を見渡すように、大きなローズカットガーネットが頂点にはめ込まれています。 このティアラ状のジュエリーを飾るパイロープガーネットは、ボヘミア(現チェコ共和国の一部)の歴史的な鉱山で採鉱され、これらの豊かな赤色の美しい宝石は、この作品が作られたビクトリア朝時代(1837-1901)に高い人気がありました。
ガーネットのよく知られた健康効果にご興味はありませんか。ガーネットのような赤い宝石は、炎症性疾患を治したり、怒りをおさめるものと考えられてきました。 さらにガーネットは肝臓病を治すとも考えられていました。
1月の誕生石:ガーネットはどこから来たのか?
ロシアとボヘミアは19世紀のガーネットの重要な原産地で、当時ガーネットはロシアの皇族から賞賛され、また偉大なジュエラーであるピーター・カール・ファベルジェ(1846–1920年)に用いられていました。 タンザニアとナミビアは、現在ガーネットの原産地として重要な場所です。 ガーネットは他にも、ミャンマー、ブラジル、ケニア、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インド、スリランカなどの国々で発見されています。
1月の誕生石:ガーネットの購入時に注目すべき品質
美しいガーネットを選ぶために役立つヒント:
- クラリティ:ガーネットのクラリティは種類によって異なります。 赤いガーネットのアルマンディン、パイロープ、そしてロードライト(パイロープ-アルマンディン)は一般的に、目に見えるインクルージョンはありません。 スペサルティンやヘソナイト(グロッシュラーの変種)のようなオレンジ色のガーネットの中には多くの場合、目に見えるインクルージョンがあります。 特定の宝石を選択する際に、この情報を使用できます。 例えば、目に見えるインクルージョンのある赤いガーネットは購入しないほうがいいでしょう。
- カット:多くのガーネットは、容易に宝飾品にセットできるよう、標準的な形とサイズにカットされています。 これは、ほとんどの赤いガーネットに特に当てはまります。 上質なツァボライト(グロッシュラーの変種)のように高価なガーネットでは、なるべく原石からの重量を保てるような形状やデザインにカットされます。
- デマントイドは多くの場合、ファイアーを最大限に引き出すためにカットされます。 ガーネットは、デザイナーカットや彫刻用としても人気があります。 赤色ガーネットは、カボションやビーズにカットするために古くから用いられている素材です。 高いクラリティで透明度も高いものが一般的に揃います。
- カラット重量:ガーネットではあらゆるサイズや重量の石が揃います。 デマントイドやツァボライトのようなガーネットは、一般的には小さめの結晶で見つかるので、サイズが大きくなると価値は大幅に上昇します。 アルマンディンのような他のガーネットは、より大きな結晶で産出するため、サイズが大きくなるにつれて値が劇的に上昇することはありません。
ほとんどのガーネットはダイヤモンド、ルビー、サファイア、エメラルドなどよりも手に届きやすい価格です。 つまり、同じ値段でより大きな宝石を購入できるということです。
1月の誕生石:ガーネットの手入れとクリーニング
ガーネットはその種類により、モース硬度スケール上で6.5から7.5の範囲にあります。 これは、ガーネットがルビー、サファイア、およびダイヤモンドよりも破損しやすいことを意味します。 すべてのガーネットが指輪など日常的な着用に向いているわけではありませんが、イヤリング、ブローチ、ペンダントなどには最適です。
ジュエリーケース内でガーネットの宝石を保管する場所に気をつけてください。 ダイヤモンド、ルビー、サファイアなどのより硬度な宝石にガーネットが触れると、傷が付くことがあります。
宝石の表面に達する傷をガラス状の物質で埋めて隠す方法であるフラクチャー充填という処理法は、ガーネットに施されることは稀です。 ガーネットは相対的に手ごろな価格であることが、あまり処理の対象とならない理由かも知れません。 いずれにせよ温かい石鹸水による洗浄が、ガーネットには常に安全です。 超音波洗浄機は、宝石にフラクチャーがあったり、フラクチャー充填で処理されている場合を除いて、通常安全です。 スチームクリーナーはお勧めしません。
1月の誕生石を購入予定の場合や、2年目の結婚記念日祝いの宝石を購入予定である場合も、GIAガーネット購入ガイドをダウンロードすることをお忘れないように。 あなたにぴったりのガーネットを探すために必要な重要なヒントが載っています。 これを持って、自信を持ってお買い物をしましょう。